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Vol. 233 移民と住宅問題
VOL.233 2016年10月25日 ───────────────────────
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皆さま、こんにちは。
こちらでは昨日が祝日「LabourDay(労働の日)」のため3連休でした。
また、前回の祝日が6月第一週の「Quee's Birthday」のため、久しぶりの
祝日となりました。連休中は天気もよかったので、遠出された方も多かっ
たと思います。
日本では今年から8月11日が「山の日」として新たな祝日となりました。
残念ながらこちらでは今のところ祝日が増えることはなさそうですが、そ
の分少ない祝日を満喫していきたいですね。
(た)
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今日のメルマガラインナップ
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1. 移民と住宅問題
2. ファイナンス
〜 NZ経済は引続き好調、NZドル相場は一進一退 〜
3. ご案内:いま注目される、海外相続の必要性について
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1. 移民と住宅問題
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NZの移民獲得数に関して、今後2年間で、9〜10万人を8.5万人〜9.5万人に
削減すると移民局から発表がありました。
これは統計予測をはるかに上回る近年のNZの人口増加が一因とされ、2020
年には500万人(2016年10月25日時点で472万人)に達するものと予測され
ていてます。
特に昨年の増加数は9.7万人と、過去最も人口増加が著しかった年でした。
この人口増加はやはり住宅不足を引き起こす大きな要因であり、住宅市場
への影響が懸念されています。
そこで政府はUnitary Planによる地域ごとの建築基準の緩和やbright-line rule
開始(購入後2年以内に不動産を売却する場合はキャピタルゲインに対して
平均30%の課税対象、NZ非居住者の不動産購入はIRDナンバーと滞在国の納
税者番号の提示が必須等)、今年10月からLoan to value ratio(LVR)で
頭金の比率を2軒目以降購入の場合40%に引き上げる(1軒目は20%)など
様々な対策を講じてきており、こういった規制は今後も厳しくなるものと
予想されます。
しかしながらこれからUnitary Planにより高層物件の建築増加が促される
と思っていた矢先に、オークランドの中心地で雨漏り欠陥アパートの公判
が始まってしまいました。
これは2012年当時、300万ドル(約2億3千万円)と見積もられていた修理費
用概算に201戸のオーナーとビルの運営会社が合意したものの、2016年現在
では4,000万ドル(約30億円)に跳ね上がり、これでは支払えないとデベロッ
パー(開発業者)、外壁業者、オークランドのカウンシル(役所)、その
他の団体を相手取って最高裁判所にて今月10月10日から争っているもので
す。
その過去を遡ってみると、建築基準法が1994年に新しく施行され、それに
伴い建築統制やシステムが変更となったころからNZでは1994年から2004年
に建てられた住宅・アパートでLeaky Home(雨漏り欠陥住宅)が各地で問
題となり始めました。
新しい規制を知りながらビルダー(建築士)やデベロッパーが故意に外壁
工事に手を抜いたり、設計段階の緻密さの欠如やカウンシルによる査察の
甘さなど複数の要因が重なり、至るところで Leaky Home が流行語のよう
に現在もメディアを騒がせており、これは一般住宅だけでなく、病院、学
校などの公共の建物にまで及び深刻な問題となっています。
この裁判の行方は今後のオークランドの建築許可基準の在り方にも大きな
影響をもたらすこととなるでしょう。
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2. ファイナンス
〜 NZ経済は引続き好調、NZドル相場は一進一退 〜
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NZ経済は物価安定や金利低下が個人消費を押し上げる中、移民流入を背景
とする旺盛な不動産需要も景気を押し上げるなど堅調な内需が景気拡大を
促しているほか、乳製品価格の底打ちが景気を下支えしています。足下で
も雇用も底堅く推移していることをベースに、長期にわたる金融緩和も追
い風にNZ経済は引き続き堅調な拡大を続ける可能性は高いと見込まれてい
ます。
他方では、内需を中心に堅調な景気拡大が続いているにもかかわらず、不
動産市況が高止まり傾向も見られる一方、雇用の需給の「ゆるみ」などを
理由に、いつデフレに陥るか分からないような状況にあることも否定でき
ません。さらに、通貨NZドルは今年の8月には年初来比で約10%上昇まで推
移し、NZドル高基調が強まるなど、NZ政府の意図に反する動きも続いてい
ます。これを支えたのは、国際金融市場の落ち着きや、日本や欧州、米国
などに比べて高いNZの金利水準でした。しかし金利差の優位は今後薄れる
公算が大きく、NZドルの魅力が弱められつつあります。
世界的な低インフレ下にあって、NZ不動産融資規制強化によるインフレ下
振れも懸念される中、NZ準備銀行は追加利下げに踏み切る可能性は高く、
結果として当面のNZドル相場の上値が抑えられる展開が続くと予想され
ます。次回のNZ準備銀行金融政策決定会合は、11月10日です。
また、年末に向けては米国による利上げ実施時期が近付くとみられ、米ド
ル高が再び意識される場面となることも考えられることから、下値につい
ても底堅い展開となることが予想され、NZドル相場は当面一進一退の展
開が続くことになると見込まれます。
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3. ご案内:いま注目される、海外相続の必要性について
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2008年にいわゆるリーマンショックで端を発した世界的金融危機と続く経
済停滞。そんな中で起こった東日本大震災の日本経済への計りがたいダメー
ジは、今後の日本の経済復興がどれほど険しい道なのかを日本国民にいみ
じくも知らしめることになりました。
これからの日本政府は「震災復興」という言葉だけを利用して、あらゆる
角度から国民に負担を課していくことは目に見えて明らかです。
それに先立って2010年、すでに2011年度の税制改革法案の中で政府は「所
得税増税」「相続税増税」「消費税増税」等の非常に大きな税制改正を通
す予定であることを発表していました。
震災後の対策に右往左往する中国会審議が延期されているものもあります
が、近い将来必ず国民の負担がさらに増大する方向に政治が舵取りされて
いくのは間違いありません。
その中でもとくに相続税の基礎控除が引き下げられました。
「5000万+相続人毎1000万」だったものが、「3000万+相続人毎600万」に
引き下げられています。さらに死亡保険の非課税枠を縮小して相当な増税
を予定しています。
相続税はスイス・スウェーデン・イタリア・カナダ・シンガポール・タイ・
マレーシア・オーストラリア・ニュージーランドなど廃止している国も多
く、これから廃止に向けて動いている国も増える中で、「死者に鞭打つ」
時代遅れの税金でありながら、日本では裕福な層から効率的に税金を徴収
できるシステムとしてますます強化しようとしているのです。
子供たちのために必死で働き蓄えた資産、すでに所得の段階で納税してい
る資産への再課税が一層厳しくなり、原発の健康不安は増大し、そしてな
により国(政府)に対する信頼が喪失している今の日本。日本人として、
1人の親として、未来を担う世代へいかに資産を残せるのかー今こそ、世
界を視野に入れた相続対策に踏み出す時です。
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<編集部より>
次回の移住メルマガは11月7日の配信となります。
どうぞお楽しみに!
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